去年の10月に 飼い犬を亡くした。

生後9ヶ月。ともに暮らしたのは 約7ヶ月。
なのに、時折思い出す。
わたしの胸の中に
何ともいいようがない 哀しみが、
ずーっと消えないで 残っているような気がする。

昨年の3月、初めて犬を飼ったわたしは、
その生態を なかなか理解できずに、
扱いに 四苦八苦する毎日を 過ごした。

吠えるわ、かじるわ、なめるわ、粗相するわ、臭いわ、汚いわ、うるさいわ・・・
でも、
吸い込まれるような、純粋で透明な瞳。
”私しかいない” と思わせてもらう事の、
気持ちよさ。

誰かの ”絶対的な存在” になるということ。
自分の中の、抑えていた欲望の扉を 開けてしまったような気がした。

「『わたしがいなければ、ダメなのよ』 と、本気で思ってもいいんだ・・」
これがきっと 犬を飼う事の魅力なんだろうな。

今までの生活で、
”わたしがいなければ、ダメね” と、本当は思いたいのに
”絶対にそんな事は ありえないから、思ってはいけない” と、言い聞かせてきた
感情を
自分の中に 肯定してしまって、いいの???
これは、自分のエゴなんじゃないのか。

人間相手には 許されない。
”絶対的な存在” のになることの快感を 体験してしまうのが 怖い気がした。

「ねえ、お母さん。犬って、麻薬みたいやね」
二男の言葉。彼もすっかり、その魅力にやられている。