”クラブ命” の二男(中2)は、
3年生が引退した後の 新チームで、副部長になり、
家でも クラブの話しか しない。

二男は毎日 そのために、学校に行っている。
そのために、生きている(と言っても過言ではない・・・と思う。)

その二男が、朝、テレビを観ていて
通学の電車の時間に遅れた。

大量の夏休みの宿題を、提出日に合わせて処理をする長男(高1)を、
車で送る朝が続いていた日のこと。

その日は 土曜日だった。
二男から、午前中に クラブがあると聞いていた。

長男を送って、8時ごろ家に帰ってくると、
いないはずの二男が
ソファに座って テレビを観ている。

「7時56分に乗り遅れた」

家から駅まで、徒歩3分。

「そう。」

二男は、そのまま 同じ体制で ソファに座っていた。
テレビまだ、みてる・・・

「あ~あ、8時7分も乗り遅れた」

「・・・・」

なんで?

「やばっ! 次の電車も 乗り遅れた。練習時間に間に合わん!!」

その後で、確かめるように、否定形で質問してきた。

「お母さん、送ってくれないよね。」

やっぱりきた!!

「いいよ」

表情をなるべく 変えずに、
わたしは、”全然 大丈夫やでオーラ” を出す。

二男を中学校に送っていくのは 初めてだった。
というか、長男も、中学校へは送っていったことがない。

中学校は、電車で一駅。
徒歩すぐ。

なので、車で行くより、早い。

だけど、わたしはこの日、二男の遅刻を責めずに送ってあげなくちゃって
思った。

”今は はずしたら、ダメな時”

わたしは、受容線をウンとさげて、
丁寧に、自分の一番優しい声を出す。

こういう時は、何度もない。

すぐにまた、いつものクールな二男に戻ることは わかっている。